[勝手に中国語講座] 10-不好聴的話・耳障りな話
不好聴的話[bu4 hao3 ting1 de5 hua4] 、控えめに訳して「耳障りな話」。汚い言葉ともいいます。人を侮辱したり非難したり軽蔑したり悪態をつく言葉。その言葉の種類は日本語の遠く及ばないもの があるようです。一寸現地に長期滞在すれば、すぐに遭遇できるはずです。意味は分からなくても・・・
当然外国人の私たちが使うには細心の注意が必要になります。TPOの心得がないと大変なことにまり増す。注意してください。今回はTPOをはずした失敗例をお話します。
ヤクザさんのことを中国語で流氓(亡+民) [liu2 mang3] といいます。大親分は大流氓(亡+民) [da4 liu2 mang3] 、ヤクザさんといっても今の日本の組織暴力団とは一寸雰囲気が違います。昔の地回り、任侠の世界に近い。今の日本の弱いものいじめ、上から押さえつけられ ると下にあたる、ひいては自分の子供まで殺してしまうようなことなど考えられません。彼らは上にのし上がるため、強いものに向かっていきます。
台北の夜。建設会社の会長さんに寿司を食べに行こうと誘われました。台北の下町、日本風しつらえのすし屋さん。馴染みのようでカウンターごしに挨拶をして いる。テーブルに着き注文をとろうとすると、奥の席から恰幅のいいおじさんが近づいてくる。会長も立ち上がり、挨拶を始めた。すぐさま私も呼ばれ紹介され ました。おじさんの名詞には<○○児童図書出版>と。肩書きは董事長、出版会社の会長さんです。名詞から目を上げおじさんを見てしまいました。どう見ても 児童文学とは縁のなさそうな風体です。おじさんはすぐに気がつき笑いながら聞いてきました。
「おかしいですか?どうみえますか?」
わたし、おもわず
「大流氓(亡+民)」
周りの風景が固まり、騒がしかった音も消えてしまいました。
建設会社の会長さんも口をあんぐりさせています。
いや、軽い気持ちで冗談が出てしまいました。
冷や汗も出ません。
しかしさすがおじさん、ニコニコ顔になっていました。
あわてて我々、席に戻ります。
会長さん「大行さん、彼は台湾で三本の指に入る大親分ですよ」
わたくし「エッ!」 再度びっくりです。
会長さん「大行さん、知っていたのですか?」
わたくし「・・・・・・」 知るはずもありません。
初めてお会いした方を見た目で判断した上、その人をヤクザさんといってしまったのは失礼この上ないことです(でも当たってしまいました)。それ以降、建設会社の会長さんは機会あるごとにあのときの私の真意を問いただします。冗談だったのか、本当にそう思ったのか。
その後も大親分は会長さんとたびたび会っていましたが、会うごとに「あの日本人はどうしている?」と聞くそうです。口は災いの元、細心の注意を。今回は使ってはいけない言葉の、使ってはいけない例でした。
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