Sunday, March 02, 2003

[勝手に中国語講座] 07-シンガポールから来ました

蘇州は名園でできあがっている町です。私は網師園というこぢんまりとした園林 [yuan2lin3] (ユエン2リン2) 庭園がいちばん好きです。雄弁になりすぎずに、押さえた表現を気に入っています。世界遺産の町が蘇州 [su1zhou1] (スー1ゾウ1) ですから、海外からの観光客もかなりのものです。日本人観光客の好きな町でもあります。網師園 [wang3shi1yuan2] (ワン3シー1ユエン2) は旧市街にあり、細い路地が多く、この庭園もそこを通って入っていきます。蘇州の景観デザイナーの方に案内されて説明を受けた後、路地沿いにある、網師園からでてくる客相手の骨董屋の前で、台湾の知人がデザイナーに聞きます。

知人 「この骨董品はどんなところから来るのですか?」
デザイナー 「新加坡來的」[xin1jia1po1lai2de5] (シン1ジャー1ーポー1ライ2デ5) 「シンガポールからです」
知人 「えっ?」

店の少女が盛んにわめきます。
デザイナーは笑いながら説明を始めました。
新加坡 [xin1jia1po1] (シン1ジャー1ポー1 シンガポール) といった訳は、新 [xin1] (シン1)<新しい> 假 [jia3] (ジャー3) <偽物>破 [po4] (ポー4)<こわれもの>
の頭をとって<新假破> [xin1jia2po4] (シン1ジャー3ポー4 )というんです。四声は違いますが、私たちはよくそう言っています。何しろまがい物の集まりですから」

蘇州の庭園を愛するデザイナーにとって、そんな偽物が並べられているのが忌々しかったのでしょう。それにしても蘇州には昔の面影が無くなっていました。い たるところで工事が行われ、古い街並みは壊され、どう見ても世界遺産とはいえない風景です。さすがに蘇州市はまずいと考えたようで、四十数カ所の街並みを 保存・保護地区に指定して厳しい規制をかけました。今後、旧市街の開発は大きな規制を受けるようになるそうです。

蘇州という町全体が「新・假・破」にならないよう望みたいものです。

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