Sunday, November 03, 2002

[勝手に中国語講座] 01 -始めての中国語

 
右も左もわからない台湾で始まった仕事、会議や打ち合わせは日本語の分かる方か通訳がべったりと付いていました。人と一緒にいる限り、会話に困ることはありません。観光で来ているわけではありません、行動もホテルから仕事場を往き来するだけです。食事も現地のスタッフが注文してくれます。こちらは今日はあれを食べてみたいこれはどうかと注文を出すぐらいです。会話に困ることもありません。ホテルも日本語がすべて、何も問題はありません。こちらは仕事に専念していればいいのです。

楽しみは宴会の日。その当時の私のボスは台湾系日本人、台湾では有名人でした。お呼ばれがしばしばです。いつ終わるともしれない、次から次へとでてくる大盛りのお皿と、新人にとっては堅苦しい会話と杯のやり取り。これを我慢するとお楽しみが。あちらの所長さんたちの接待に移ります。当時台北でもっとも賑やかではやりの繁華街、林森北路・六条通りへと向かいます。六条通りは現在でも飲み屋さんがたくさんありますが、古いタイプの、おじさん好みの店が多いため、地元の若者たちは他へ、渋谷や六本木のようなところに出かけているようです。

どの店も薄暗く、人でごった返していました。客と店の女の子。当時はカラオケなどありません。飲むか女の子と話をするか、台湾拳(かけ声とともに相手と自分の出した指の数を当てるジャンケン)で飛び交う大声。それこそこれぞ台湾!という賑やかさでした。酒がたしなめるわけでも、台湾拳に挑戦する気もありません。で、脇に同席する女性と話をすることになります。当時は日本人は上客です。以下に店を、女性を気に入ってまた来てもらうか、彼女たちは仕事にとても熱心でした。かなりの女の子がそれなりに日本語を話すことができました。

「きれいですね」とわたし。「アナタ クチ チョコレートネ」と日本語で彼女。口が巧いですね、の即物的な表現。「いや、本当です」。確かに美人が多かった気がします。「黒白講!」と彼女。「えっつ?」と私。「アナタ ウソツキデスネ」と日本語で彼女。「いや、本当です」としつっこくわたし。「綺麗って中国語でなんといいますか?」、「ピァオ リァン (piao4 liang4)」 「うそつきは?」 「オペコン」。黒=オ 白=ペ 講=コン。うそつきは白黒で話をする、これも実に解りやすい漢字です。で、この二つの言葉は機会あるごとに使ってみることになりました。耳当たりがいいのです。使っては「アナタ チュウゴクゴ ウマイネ」と言われ、いい気になっていたものでした。

実は好んで使った二つの言葉、「きれいですね」「漂亮」[piao4
 liang] (ピャオリャン)と うそつきですね」「黒白講」(オペコン)は、二つの言語、異なった言語体系。一つはマンダリンと呼ばれる中国語(標準語とも普通語とも北京語ともいう)、もう一つは台湾語です。「漂亮」 [piao4 liang]は標準語、「うそつきですね」=「黒白講」オペコンが台湾語。彼らは日常的にバイリンガルです。

中国には百八の言語があるといわれています。何しろ広大ですからね。北京地方は北京語、上海は上海語、広東・香港は広東語などなど。台湾は台湾海峡を挟んだ向かい、福建の移民の土地、もともと福建語が使われていました。その後に客家人が入り、中華人民共和国建国後は蒋介石の国民党一派、軍人・その家族・公務員とその家族などなど総勢60万人とも100万人ともいわれる人たちが台湾に移り住むことになります。

蒋介石も毛沢東も一つの中国を主張。お互いが正当性を掲げたので、台湾に新政府を宣言した蒋介石は公用語を大陸と同じ標準語にします。で、台湾の多数派は台湾語を、新住民の蒋介石の人民は標準語を使い、日常生活ではこの二つが混在して使われるようになりました。それ以外にも、元々台湾の原住民の言葉や、少数派の客家語も使われていますが、いまや年齢の高い方々のみになりつつあるようです。

台湾をおおとづれてしばらく、この二つ、標準語と台湾語の区別はつきません。台湾語と標準語の違いは、関西弁と東京弁(標準語)の味の違いに似ています。その辺はまたの授業で。・・

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